Cryptobiosis of Annatto60

アナトー・シキソのクリプトビオシス

インフルエンザ・ウィルスになってみよう

インフルエンザ・ウィルスの大きさは100ナノメートル(10のマイナス7乗メートル)。人の子供の大きさを1メートルとすると、約1000万倍。

地球の大きさは直径13000キロメートル(13×10の6乗)で、子供の大きさ1メートルの1300万倍(13×10の6乗)。

つまり、インフルエンザウィルスと子供の比は、子供と地球の大きさの比と、ほぼ等しい(どちらも約1000万倍)。

ウィルスが子供に取りつくのは、大気圏突入カプセルに乗った人間の子供が地球に降りたつことに等しい。

A型の鳥インフルエンザ・ウィルスは、渡り鳥に乗って、シベリアからオーストラリアまで、地球のほぼ半周2万キロメートル(2×10の7乗メートル)を旅行する。ウィルスの大きさ(10のマイナス7乗メートル)から見れば、その距離は2×10の14乗個分。身長1メートルの子供の2×10の14乗人分の長さ(2×10の14乗メートル)は、光の速さで約一週間。それは太陽系の30倍の距離。ウィルスにとってみれば月くらいの大きな宇宙船(鴨)に乗って、太陽系の外から、太陽系の30倍の距離を飛んでくるという長旅。

くしゃみによる飛沫感染では、1~2メートル前後で、地上に落ちる前に他の人に感染する必要がある。一回のくしゃみで10の8乗個(1億個)のウィルスが含まれる1ミリリットルのつばが飛び出すとすると、2メートル先の人に感染する場合、ウィルスから見た距離は、2×10の7乗個の距離、すなわち、人の子供では2万キロメートルとなり、これは北極から南極までの距離になる。一億人が歩いて北極から出発すると、南極までたどり着けるのは何人か? マスクのような遮蔽物は、ヒマラヤ山脈のようなもので、これがあると殆どたどり着くのは無理だろう。

(NHKラジオ「生物進化の謎と感染症」)