Cryptobiosis of Annatto60

アナトー・シキソのクリプトビオシス

スミスとT細胞の利他主義と利己主義

・・・スミスの理論は誤解を招きやすい。肉屋の動機は慈悲ではないかもしれないが、だからと言って冷淡で悪意ある行動というわけでもない。自己利益の追求は、利他主義の追求と同様に、人に対して悪意を示すこととは違うのである。▼スミスの見解と人間の免疫機構の間には素晴らしい類似性がある。・・・増殖を開始するとき、T細胞はなんの感情も抱いてはいない。もちろん、外敵を殺さねばならん、と使命感に燃えて数を増やしているのでもない。・・・これらの免疫細胞にとって、外部からの侵入者を攻撃することは、自分たちが成長・分裂するために行う当たり前の努力の結果生まれる副産物なのである。
(マット・リドレー『徳の起源』p68-70)