Cryptobiosis of Annatto60

アナトー・シキソのクリプトビオシス

合理主義と感情

合理主義者同士の場合、絶対に約束を守ると断言しても相手には信じてもらえないし、問題を解決することもできないだろう。しかし、我々はふつう、そういう問題を理屈で解決しようとしないで、感情に操られる不合理な約束によって解決しようとするのである。恥辱や罪の意識を恐れるため、起業家は人を騙すようなことはしないし、パートナーを信用する。自分と同じく、パートナーも恥辱や罪の意識を嫌う崇高な人物であるだろうと考えるからだ。牛を飼う農夫は、隣人が怒っていること、そして、意地を張り過ぎれば、隣人は(高額の裁判費用などにかわわず)損を覚悟で、訴訟を起こすに違いないことを知っているから、囲いを作るのである。

(マット・リドレー『徳の起源』P189)